1924年の船荷証券に関するある規則の統一のための国際条約(略称;船荷証券統一条約)(1924ねんのふなにしょうけんにかんするあるきそくのとういつのためのこくさいじょうやく)

International Convention for the Unification of Certain Rules of Law Relating to Bills of Lading,1924

海上物品運送を律する国際規則であるヘーグ・ルール( Hague Rules)(注1)をもとに策定され、1924年8月にブリュッセルの海事法外交会議で採択された国際条約である。日本は1957年に締結しており、同条約に準拠した内容の国内法として「国際海上物品運送法」を制定し、1958年1月1日から施行している。その後、世界的な状況の変化を踏まえてヘーグ・ヴィスビー・ルール(注2)が策定され、これに基づいて1968年の改正議定書が採択されており、さらにこれを改正する1979年の議定書が採択されている。日本はこの1979年の議定書を1993年に締結しており、これに準拠した内容に国内法を改正するとともに、元の1924年の船荷証券統一条約からは同年5月末で離脱している。

注1 ヘーグ・ルール:1921年9月オランダのヘーグにおいて、B/L(船荷証券)中の免責約款をめぐる利害関係者(船主、荷主、銀行、保険会社等)が会合し、その議論を通じて策定された規則がヘーグ・ルールである。1924年の船荷証券統一条約を通称でヘーグ・ルールと呼ぶ場合も多いが、厳密には、このヘーグ・ルールをもとにして船荷証券統一条約が策定・採択されている。

注2 ヘーグ・ヴィスビー・ルール:ヘーグ・ルールの策定から半世紀近くが経過して、第二次世界大戦後のインフレに伴う運送人の責任限度額の見直し、コンテナによる海上輸送の普及への対応等が求められるようになり、実状に合わせたルール内容の調整が必要となった。このため1963年6月、CMI(万国海法会)のストックホルム会議で改正草案(ヴィスビー・ルール)が策定され、これをもとに1968年2月のブリュッセル海事法外交会議で「1924年船荷証券統一条約を改正するための議定書」が採択された。この議定書と1924年の船荷証券統一条約は一体不可分の文書として認識すべきものとされ、これがヘーグ・ヴィスビー・ルールと呼ばれるものとなった。

≪参考:海上物品運送に関する他の条約≫
*国連海上物品運送条約(通称;ハンブルグ・ルール)⇒ヘーグ・ヴィスビー・ルールは先進国側に有利で公平性が問題とする開発途上国からの指摘を踏まえ国連で策定された条約であり、船会社の責任が重くなっている。1978年に採択、1992年に発効しているが、先進国はあまり締結していない。(日本も未締結。)

*全部または一部が海上運送による国際物品運送契約に関する国連条約(通称;ロッテルダム・ルール)⇒海上運送における法的枠組みの刷新を目指して国連で策定され、2008年に採択されたが、発効要件である20カ国以上の締結に対して、締約国は4カ国(2017年12月)に留まっており、未発効の状態にある。(日本も未締結。)