国際海上危険物規程;IMDG コード(こくさいかいじょうきけんぶつきてい;あいえむでぃーじーこーど)

国際海事機関(IMO)において策定された国際海上危険物規程(International Maritime Dangerous Goods(IMDG)Code)をいう。1950年代中頃、危険物の国際間輸送における安全性・効率性確保には各国の規制内容の共通性が重要との認識が高まり、まず国連において、全輸送モードを対象に危険物輸送に関する勧告(以下「国連勧告」)が策定され、1956年に初版が発刊された。この国連勧告では危険物を9クラス(爆発物、ガス、引火性液体類、可燃性固体類、酸化性物質類及び有機過酸化物、毒性及び感染性物質、放射性物質、腐食性物質並びにその他の危険な物質及び物品)に分類し、約3千種の物質・物品に国連番号を割り当て、品名、等級、遵守事項等を示していた。陸海空の各輸送モードでは、この国連勧告に沿った内容の国際基準が各々検討され、このうち海上運送モードでは、国際海事機関(IMO)において1965年にIMDG コードが策定されたものである。IMDG コードは策定当初、推奨基準の扱いであったが、2004年以降は、海上人命安全条約(SOLAS 条約)に基づく強制要件となり、SOLAS 条約締約国で適用されてきている。また海洋汚染防止条約(MARPOL73/78条約)の附属書Ⅲ(容器に収納した状態で海上において運送される有害物質による汚染の防止のための規則)では、IMDG コードにおける海洋汚染物質等を有害物質として規制している。(IMDG コードは2年毎に更新されてきており、2021年5月現在における最新版は、2020年採択の第40版となっている。)危険物の海上運送に係る我が国の法令(船舶安全法、海洋汚染防止法、危険物船舶運送及び貯蔵規則等)は、IMDG コードの内容に準拠して制定されている。なお、IMDG コードは危険物の個品運送を規制しているコードであり、危険物のばら積み運送については、前述のIBC コード、IGC コード等によって規制されている。