海上衝突予防法(かいじょうしょうとつよぼうほう)

この法律は、前述の海上衝突予防条約(COLREG1972条約)に基づく海上における衝突の予防のための国際規則の規定に準拠して、船舶の遵守すべき航法、表示すべき灯火及び形象物並びに行うべき信号に関し必要な事項を定めることにより、海上における船舶の衝突を予防し、もつて船舶交通の安全を図ることを目的として制定されたものである。本法の適用対象の船舶は、海洋及びこれに接続する航洋船が航行することができる水域の水上にある船舶(水上輸送の用に供する船舟類(水上航空機を含む。))とされている。 また、この法律の規定事項の概要は以下のようになっている。

⑴ 航法
・あらゆる視界の状態における船舶の航法(見張り、安全な速力、衝突のおそれ、衝突を避けるための動作、狭い水道、分離通航方式)
・互いに他の船舶の視野の内にある船舶の航法(帆船、追越し船、出会い船、横切り船、避航船、保持船、各種船舶間の航法)
・視界制限状態にある船舶の航法
⑵ 灯火及び形象物
(灯火の定義、灯火の視認距離、航行中の動力船、航行中のえい航船、航行中の帆船、漁労に従事している船舶、運転不自由船・操縦性能制限船、喫水制限船、水先船、びよう泊中の船舶・乗り揚げている船舶、水上航空機等)
⑶ 音響信号及び発光信号
(音響信号設備、操船信号・警告信号、視界制限状態における音響信号、注意喚起信号、遭難信号)
⑷ 補則
(切迫した危険のある特殊な状況、注意等を怠ることについての責任等)